こんにちは、コピーライティング専門会社・ワードメーカー株式会社の狩生です。
ジャレド・ダイアモンド氏の『銃・病原菌・鉄』(上・下)を先日読みました。
ボリュームが多いこの本はどちらかというととっつきにくい内容です。私自身、「知っていはいたけれど読むのが億劫になっていた本」のひとつです。
他にもいくつかあるんですけど、手に取るまでに重い腰を上げる必要があるんですよね・・・
でも、そういう本ほど価値があったりします。
なぜ支配する側とされる側が生まれたのか?
本書のテーマはなにかということ、これです。
支配する側とされる側が生まれた理由
たとえば、ヨーロッパはなぜ植民地支配を進めることができたのか?植民地になったほうは、なぜそうなってしまったのか?…これらの結論となるものが本書にあります。
今は無いと思いますが、“遺伝的な優劣がある”という考え方が昔はあったようです。
差別もこのようなところから起こるケースが多いですよね。わかりやすい例でいうと、アメリカにおける白人の黒人への差別とかもそうです。
ジャレド・ダイアモンド氏は、そうではなく別の理由があるということで、深堀りしています。
結論だけ言ってしまうと、環境要因(地理的要因)によって差が生じてしまったのです。
生産性の高い穀物を栽培することができた
まず、農耕です。
生産性の高い穀物を栽培することができた地域は、それだけ人口を増やすこともできます。
人間に限らず生き物は、「食べるもの」が最重要です。
食べるものがなければ生きていくことができません。
食べるものを作ることができる農耕はそういった意味では、最適な方法なんですよね。自分である程度コントロールできるからです。
そして、農耕に最適な土地が「ユーラシア大陸」だったのです。
気温や気候など含めて地理的要因により、生産性の高い穀物を栽培することができるようになり、それが人類の急激な発展につながったのです。
家畜化できる動物がいた
さらに、家畜も重要なポイントとなったようです。
家畜化しやすい動物がいることで、これまた食料に困りにくくなります。
動物がたくさんいることではなく、家畜化しやすい動物がいることがポイントです。
動物がたくさん…ということであれば、アフリカ大陸などは動物がたくさんいる印象があります。
でも、家畜化しやすい動物は少ないようなのです。
たとえば、シマウマ。
シマウマは気性がとても激しいみたいで、家畜化には適していないようです。
気性の激しさ以外にも、できるだけ早く育つかどうかや草食かどうかなど、そのあたりも大切になってくるようです。
言われてみればたしかにそうだなと思いました。
温厚な動物でも成長がゆっくりであれば、コストがめちゃくちゃかかってしまいますし、食べ物にこだわりがありすぎたりすると餌を確保するだけでも大変です。
そういうことを考えていくと、
- 牛
- 豚
- 馬
- ヤギ
- 羊
このあたりの動物に集約されていくようです。
緯度があまり変わらない大陸
そして、気候などの条件面でいうと、緯度が大事です。
ユーラシア大陸は緯度があまり変わらない、横に広がった大陸です。
一方、南北アメリカ大陸やアフリカ大陸などは縦に広がっている大陸です。
横に広がった大陸だと、農耕もすぐに伝わりやすくなります。(気温などの条件が似ているので)
緯度が異なると、同じ農作物を育てることができないため、広がらないのです。つまり、ユーラシア大陸は横展開がしやすかったということです。
さらに、家畜などから発生した病原菌が広がりやすい傾向にあります。
病原菌が広がることは悪いことのように思えますが、免疫がつくという意味でいうと、良い面もあったのです。
最後に
要点の部分だけご紹介させていただきました。他には、技術革新のところなども面白かったです。
私自身、まだ理解できていない箇所が多々あります。
地理的要因の重要性について学ぶことができます。
さらに、文化的な背景(たとえば新しいものが入ってきたときに真似するかどうか)などもあるようですね。
さまざまな偶然と実験と試行錯誤の上に、今の環境ができていると思うと、さらに感謝の念が芽生えます。