重松清『送り火』はモヤモヤも切なさもある短編集

送り火 書籍

こんにちは、狩生です。

先日、オーディオブックで『送り火』を聴きました。重松清さんの小説です。

私の中で重松清さんといえば『とんび』で、これには本当に泣きました。

それからときどき読むようになったのですが、今回は他の作品とはだいぶ毛色が違う感じがします。

紹介文はこちらです。

鉄道が街をつくり、街に人生が降り積もる。黙々と走る通勤電車が運ぶものは、人々の喜びと哀しみ、そして…。街と人が織りなす、不気味なのにあたたかな、アーバン・ホラー作品集。

富士見線という架空の電鉄沿線を舞台にした9つの短編です。

タイトルになっている「送り火」の他にも「フジミ荘奇譚」「ハードラック・ウーマン」「かげせん」「漂流記」「よーそろ」 「シド・ヴィシャスから遠く離れて」「家路」「もういくつ寝ると」…の9つが収められています。

最初はちょっとゾクッとするような怖いものなのかな・・・と思ったのですが、順番に聴いていくそうでもなかったです。

少しゾクッとするのは、「フジミ荘奇譚」「漂流記」だけでした。

人によって好きなものが異なると思いますが、個人的に好きなのは「シド・ヴィシャスから遠く離れて」「家路」です。

「シド・ヴィシャスから遠く離れて」はロッカーのその後のような話で、現実をつきつけられた人間模様が心に残りました。矛を収めるというか、そういうのっていうのは難しいことですが、その矛に理想を抱いている人もいるんだよな、って感じる話です。

「家路」は、当たり前の毎日に気づける内容です。妻と仲違いをしてウィークリーマンションに住む主人公。その後の出会いや妻との距離感などが、だんだんと悲しくなってくる感じもしました。

「漂流記」だけ気になったのですが、最後のところの終わり方がちょっと不気味に感じました。これは人によって解釈が異なるところですよね…。

どの短編が好きでしたか?

これはかなり意見が分かれるだろうなぁと読みながら思いました。

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