こんにちは、狩生です。
先日、韓国に出張に行ってきました。久しぶりの海外です。海外とはいっても、釜山なので、博多港から船で行けます。2回目の釜山でしたが、12年ぶりです。
12年経つと、いろいろなことが変わっていました。というか、そんな前のことを覚えていないので、変わったように思えただけかもしれません。
釜山は私がイメージしていたよりも発展しており、都会の雰囲気でした。ビルや高層マンションが建ち並び、夜景がキレイだったのが印象的でした。
そんな思い出話はさておき。
今日は、“言葉のイメージ変換”の話です。
言葉のイメージを正しく変換することは難しい
お客様に連れて行っていただいた今回の韓国出張。現地の韓国の方とも一緒に同行しました。日本語が話せる韓国の方です。移動中さまざまな話をしてくれたのですが、その中で印象に残っているのが、ジブリの話です。
スタジオジブリです。
日本の映画の話になったときに、「千と千尋の神隠し」の話題になりました。
日本では「千と千尋の神隠し」という名前ですが、韓国では翻訳されているため名称が異なります。その翻訳タイトルに驚きました。
その名称とは・・・
「千と千尋の行方不明」
日本人なら誰もが違和感を覚えるこの名称。
“神隠し”という言葉が特殊すぎたのです。翻訳にとても苦労したのでしょう。行方不明は完全に間違ってはいませんが、正しくはありません。
とはいえ、“神隠し”を使わずに他の言葉で代用しようとしても、とても難しい・・・。「えっ、その翻訳は!?」とは思いましたが、他の言葉に変換することは非常に難易度が高いです。
あなたも行方不明が「違う」のはわかると思いますが、「では他の言葉で?」と言われたときはどうでしょうか。
あなたの事業を別の言葉で表現すると?
たとえば、あなたの事業をいつもの説明とは違う言葉で表現することはできるでしょうか?
やってみるとわかりますが、これもまた難しい。
特徴をひとつひとつ別の言葉に変換しなければいけないとしたら、億劫で仕方がありません。それほど言葉を変換する作業というのは、面倒なことなのです。
自分の頭の中に無い言葉はひねり出すことはできません。
自分の頭の中にある言葉から別の言葉を探し出すとしたら、どうしても表現が限られてしまいます。
「千と千尋の神隠し」状態です。
あなたの事業の“神隠し”という言葉が、対象の人に伝わっていないとしたら。
伝わっていると思い込んだまま、使い続けているとしたら。
対象の人が「行方不明」として解釈しているとしたら。
十分過ぎるぐらい現実にありえる話です。
伝えているようで伝わっていない
私が言いたいことはこうです。
伝えているつもりでも、対象の人からしてみると、“外国語のように聞こえている”ということがあるのです。
同じ日本人でも方言によっては他の地域の人に伝わらない表現があります。
“業界の方言(専門用語)”を使っている可能性があります。
他の会社(ライバル)も使っているから・・・と意外に同じような言葉を使っていませんか?
こういうときは、入社してまだ間もない(染まっていない)スタッフにお願いするのが正しいやり方です。
業界にどっぷり浸かってしまうと見えなくなります。わからなくなります。経験があるということが障害になってしまっているのです。
経験値のジレンマにはまらないようにしましょう。
※ちなみに、冒頭の写真は「ケジャン」です。韓国ということ以外、本文とは一切関係ありません。