先日、チラシ研修をおこなったのですが、そのときに次の感想をいただきました。
“ターゲット(対象者、商品など)絞り込みをしっかりしないと、スタートから違った方向にむかってしまうことを再認識させられました。万人向けチラシをつくろうと、自己満足で終わっていたことに気付かされました。”
この感想はとても的を射た言葉です。
なぜなら、私がお伝えしたかった中心に当たる部分だからです。
万人向けにしていないつもりでも、「対象=みんな」と発言される方は多いのです。「できるだけ多くの方に来て欲しい(買って欲しい)」というのがその理由です。
理解できなくもないのですが、経営は【競争原理】が働きますから、みんな(万人)を対象にしてしまうと、ライバルもそれだけ増えてしまいます。
そして、何よりも次の4つの問題点があります。
それぞれについて解説します。
1.対象の人の“悩み”“望み”がハッキリわからない
まず、対象の人の悩みや欲求です。
商品やサービスを通して、何かしらの悩みを解決したり、欲求を満たしてあげることができるかと思います。
それなのに、対象が広すぎると悩み/欲求も必然的に広くなるため、きっちりニーズを掴めなくなってしまうのです。
「どんな悩みを解決するんですか?」と聞けば、その方が“悩みを具体的に把握しているかどうか”がわかります。
明確に答えることができない場合は、対象の絞り込みができていない可能性が「大」です。(もしくは、単に把握していないだけとか?)
2.どういうことを求めているのかがわからない
こちらは「1」に似ていますね。
対象の人が広すぎるがゆえに、「最終的にどうなりたいのか?」がわかりにくくなるのです。
商品サービスは何かしら「ビフォー/アフター」という変化を与えるものですが、「アフター」の箇所が見えていないという場合があります。
ビフォーが把握できなければ、アフターも把握できませんからね。
(ビフォーが「1」に当たる部分です)
3.抽象的な表現ばかりになる
たとえば、「一対一」で話す場合と、「一対多」で話す場合だと、話す内容が変わるということはお分かりいただけるとおもいます。
「一対多」の場合が対象が広すぎる場合になりますが、それだと、共通の話題が限られてしまうので、どうしても抽象的な話題になってしまいがちです。
もちろん、多くの方を対象にする場合でも具体的な話題を提供することは可能ですが、それなら最初から対象の方をハッキリさせておいたほうが得策です。
4.勝手な想定をしてしまう
最後は、「たぶんこんなことなんじゃないか・・・という勝手な想定」です。
会議でよくあるケース。
「ここの言葉もっとこうしたほうがいいんじゃない?」
「このチラシ、こういう風に変えたら?」
「あっちのほうがいいんじゃないかな?」
こんな発言が出たときに、“ただの予想”なのか“根拠があるのか”を必ず確認したほうがイイです。そうしなければ、いろんな方の意見に振り回されてしまうからです。
万人向けになっていると、どうにでも解釈ができるので、“予想”がどんどん膨らんでしまい、収拾がつかなくなってしまうのです。
最後に・・・
以上、4つご紹介しました。
「絞り込みはコワイ」とおっしゃる方がいますが、「絞らないほうがコワイ」のです、本当は。(もちろん、ただ絞るのではなく、需要があるかどうかを確認した上で、絞り込みをおこなう必要があります)
1つのアドバイスとして、「絞り込んでいるかどうか?」というよりも、「万人向けになっていないか/悩みを具体的に掴んでいるかどうか」ということを指標にしてもいいかもしれません。
ともすれば、すぐに書き手目線になってしまいがちですから、そうならないためにも、万人向けにならないように心がけましょう。