受注率が上がる提案書の作り方|「自社紹介」を先に置くべき理由とテンプレート化のコツ

受注率が上がる提案書の作り方 集客

「見積もりは出したのに、返事がない」
「担当者の反応は良かったのに、社内で通らなかった」

こんにちは、コピーライティング専門会社・ワードメーカー株式会社の狩生です。

BtoBの受託加工や設備工事の会社さまから、こうしたご相談をよくいただきます。

多くの場合、価格で負けたわけでも、技術で負けたわけでもありません。提案書の「構成」で負けています。

今回は、実際に産業機器の受託加工メーカーさまと一緒に提案書をつくり直した経験をもとに、受注率が変わる提案書の組み立て方をお伝えします。

提案書を読むのは、目の前の担当者ではない

提案書を読むのは、目の前の担当者ではない

まず、一番大事な前提から。

提案書を受け取るのは目の前の担当者ですが、最終的に決めるのはその上司や決裁権者であることがほとんどです。

つまり提案書は、あなたが直接プレゼンする資料ではありません。担当者が社内で説明するための「台本」です。

ここで起きるのが、伝言ゲームです。

あなたが「うちは◯◯まで一貫対応できます」と熱く語っても、担当者が社内で伝えるときには「なんか、対応範囲が広いらしいです」に縮んでいます。3人経由すれば「まあ、普通の会社ですね」で終わります。

悪気があるわけではありません。担当者は他社の提案も抱えていて、あなたの会社の強みを正確に覚えている義理はないのです。

だからこそ、台本に書いておく必要があります。

課題解決から書き始めてはいけない

多くの提案書は、いきなり本題から始まります。

「ご相談いただいた課題」→「弊社の解決策」→「お見積り」

一見、無駄がなく親切に見えます。相手も忙しいのだから、さっさと本題に入るべきだ、と。

ですが、これは初対面の営業マンが、名刺も出さずにいきなり商品説明を始めている状態です。

読み手(特に決裁者)の頭には、まずこの疑問が浮かびます。

「で、この会社は何ができる会社なんだ?」

この疑問が解けないまま解決策を読んでも、内容は頭に入ってきません。逆に、先に「この会社はちゃんとしているな」と思ってもらえれば、その後の提案は前のめりで読んでもらえます。

料理を出す前にメニューを見せるのと同じです。何の店かわからないまま皿を出されても、おいしいかどうか判断できません。

受注率が上がる提案書の順番

提案書の「正しい順番」が直感的に伝わるビジネス図解型
実際に効果が出た構成を、順番どおりに並べます。

実績を「数字」で示す(1ページ目)

創業年数、対応実績社数、設備台数。文章ではなく、大きな数字を並べます。

「●●設備●台」のような具体的な数字は、10行の説明文より速く信頼を運びます。

認証・体制の証明(2ページ目)

認証、品質管理体制。ここは装飾せず、事実を淡々と。「継続的に管理されている会社だ」という安心感を渡すパートです。

設備・技術の紹介(3〜4ページ)

案件ごとに差し替える前提でつくります。相手の案件に関係のある設備だけを残し、関係のないページは削除して使います。

自社の強みを4つに絞る

強みは並べすぎると印象に残りません。4つ程度に絞り、それぞれに具体的な裏付けを1行つけます。

  • 安定供給力 →(実績・在庫体制の数字)
  • 技術力 →(対応可能な範囲を具体的な数値で)
  • 提案力 →(コストダウン提案の実例)
  • サポート力 →(納品後の対応体制)

「技術力があります」だけでは何も伝わりません。「◯◯まで対応可能です」と書いた瞬間に、それは強みになります。

課題の整理

ここでようやく本題です。ヒアリングした内容を「御社の課題はこうですよね」と言語化して返します。

この工程自体が信頼を生みます。正しく整理して返されると、人は「この人はわかってくれている」と感じるからです。

解決策の提案

課題に対応する形で、解決策を提示します。ここで重要なのが次の章です。

導入事例・進行スケジュール

「実際にやったことがある」ことを示します。似た規模・似た業界の事例が1つあるだけで、決裁のハードルは大きく下がります。

概算見積

詳細は別紙にして、提案書の中には要点だけを載せます。

なお、見積書に工程数や材料の内訳まで書いている会社は、それだけで評価されます。金額と個数しか書かない会社が多いなかで、「ここまで考えて出してくれている」という印象になるからです。

最後に、社長メッセージ

ここが最後である理由は明確です。

先に機能を伝え、最後に感情を伝える。

冒頭に「熱い想い」を置いても、まだ相手はあなたの会社を知りません。ひととおり中身を見て納得した後に読む社長の言葉は、まったく違う重さで届きます。

会社概要・ホームページ案内

締めくくりに、あらためて会社情報を。

自社紹介と本題のボリュームは「1対1」に

自社紹介と本題のボリュームは「1対1」に

ここでよくある失敗があります。

会社紹介と実績のページばかり厚くなり、肝心の本題(相手の案件)が2〜3ページで終わっているというパターンです。

これは、自己紹介ばかり長くて相手の話を聞かない人と同じ印象を与えます。読み手は無意識に、こう感じ取ります。

「この会社、うちの案件のことは大して考えていないな」

目安は、自社紹介と本題を同じくらいのボリュームにすること。

コツは「1ポイント=1ページ」です。伝えたいポイントが5つあるなら、最初にその5つを一覧で見せ、そこから1ページずつ丁寧に展開していく。合計6ページになります。

同じ内容でも、1ページに5つ詰め込んだ資料と、5ページに分けた資料では、伝わり方がまったく違います。分量そのものが「ここまで考えました」というメッセージになるからです。

毎回ゼロから作らない ― テンプレート化のコツ

毎回ゼロから作らない ― テンプレート化のコツ
とはいえ、案件ごとにここまでの資料を作っていたら、本業が回りません。

そこで、前半(会社紹介・実績・設備・強み)を固定パート、後半(課題・解決策・事例・見積)を差し替えパートに分けてテンプレート化します。

運用ルールはシンプルに、この3つだけ。

  1. 原本は触らない。 毎回コピーして使う
  2. 不要なページは削除、必要なら複製。 白紙から作らない
  3. 凝りすぎない。 編集しにくいデザインは、結局使われなくなる

複雑で美しいテンプレートより、社員の誰でも15分で差し替えられるテンプレートのほうが、会社の資産としてはるかに価値があります。

あとは、伝えたい切り口さえ決まれば、下書きの文章はAIに任せる手もあります。構成が決まっていれば、原稿づくりは一気に軽くなります。

まとめ

提案書で受注率を上げるポイントを、あらためて整理します。

  • 提案書は決裁者へ渡る「台本」として書く
  • 課題解決の前に、まず自社を知ってもらう
  • 強みは4つに絞り、具体的な数字で裏づける
  • 自社紹介と本題は1対1のボリュームに
  • 前半を固定、後半を差し替えでテンプレート化する
  • 見積書・名刺までトーンを揃える

技術力のある会社ほど、「良いものを作っていれば伝わるはずだ」と考えがちです。

しかし現実には、伝わっていない価値は、存在しないのと同じです。提案書は、その価値を決裁者のもとまで正確に運ぶための乗り物にすぎません。乗り物の設計が悪ければ、どれだけ良い荷物も届かないのです。

提案書・営業ツールの制作をお手伝いしています

ワードメーカー株式会社では、中小企業さまの提案書・会社案内・パンフレット・名刺の制作をお手伝いしています。

  • 御社の強みをヒアリングから整理し、言葉にするところからお手伝いします
  • 毎回コピーして使えるテンプレート形式でご納品します
  • 提案書・見積書・名刺までトーンを統一したデザインで制作します
  • ホームページ・チラシとも表現を揃え、どこで接触しても同じ会社に見える状態をつくります

「うちの強みって、結局なんだろう」という段階からのご相談も歓迎です。まずはお気軽にお問い合わせください。

 

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